セキュリティ担当・情シス向け技術検証レポート

セキュリティとデータ取扱について

最終更新: 2026-09-25

30秒で読める結論

研究データ(ページ本文・データセット・グラフ・画像)は Lablate のサーバーには一切送信されません。 標準ではブラウザ内ストレージおよびユーザーが指定したローカルフォルダに保存されます(ユーザーが連携を有効にした場合は、ユーザー自身の Google Drive / OneDrive)。

Lablate 側の通信は「アプリ本体の配信(Vercel)」「ログイン認証(Supabase Auth・東京リージョン。ログインは任意)」「不具合発生時のエラーレポート(Sentry)」「匿名の利用統計(Vercel Web Analytics)」で、いずれにも研究データ本体は含まれません。ユーザーが Google Drive / OneDrive 連携を有効にした場合のみ、研究データはユーザー自身のクラウドストレージとの間で直接送受信されます(Lablate のサーバーは経由しません)。唯一の例外は、ユーザーがアプリ内の窓口から不具合報告・改善要望を送るときに自分で添付したもの(スクリーンショットに写った画面を含む)で、これは送信操作をしたときだけ Sentry に送られます。

データの行き先

Lablate を使ったときに、何が・どこに保存されるかを整理します。

データの種類保存場所Lablateサーバーへの送信
研究データ本体
(テキスト・数値・グラフ・画像)
ユーザーのローカルPC(組織の OneDrive 等と同期しているフォルダを選ぶことも可)/ ユーザー自身の Google Drive・OneDrive(連携した場合のみ)送信なし
アカウント情報
(メール・表示名など。ログインした場合のみ)
Supabase Auth(東京リージョン)送信(ログイン時・セッション維持時)
不具合報告・改善要望
(本文・任意のメール・ユーザーが添付した画像やファイル)
Sentry(米国)送信(ユーザーが報告を送ったときのみ)
アプリ本体
(HTML / JS / CSS)
Vercel CDN(ホスティング)ダウンロードのみ

lablate.com(Vercel)には研究データを受け取って保存する仕組みがありません。サーバー側で動くコードは、ページ配信とログインのコールバック(/auth/callback)、セッション Cookie の更新だけです。エラーレポートと不具合報告は、広告ブロッカーに遮断されないよう lablate.com の /monitoring を経由して Sentry に転送されます。ブラウザのセキュリティ機能 (Content Security Policy) が検知した違反の報告も、同じ目的で /csp-report を経由して Sentry に転送されます。どちらの経路も中継するだけで内容を保存しません。

外部通信の完全リスト

Lablate を利用したときに発生するネットワーク通信は、以下が全てです。

1. 初回アクセス

宛先:
Vercel CDN
内容:
HTML / JS / CSS(アプリ本体)
性質:
普通のWebサイト閲覧と同じ。読み込み後はネットワークが切れても編集を続けられる(ただし Service Worker は導入していないため、オフライン状態での再読み込み・新規の起動はできない)

2. ログイン(任意)

宛先:
Supabase Auth(東京リージョン)/ 選択した認証プロバイダ(Microsoft または Google)/ マジックリンクの場合は入力したメールアドレス宛のメール
内容:
OAuth 認可コード、anon key(公開値)、リダイレクトURI。ログイン後はプロフィール(表示名・プラン種別)の取得と、OAuth プロバイダのアバター画像の読み込み(プロバイダの画像配信サーバーから直接。リファラは送らない)
性質:
OAuth 2.0 標準フロー。研究データは含まれない。ログインしなくても全機能を利用でき、その場合この通信は発生しない

3. セッション自動更新

宛先:
Supabase Auth
内容:
リフレッシュトークン(Cookie 経由)
性質:
ページを開いたときの Next.js Middleware とブラウザ側の Supabase クライアントによるセッション維持のみ

4. ログアウト

宛先:
Supabase Auth
内容:
現在のセッショントークン
性質:
Cookie 破棄とセッション無効化のみ

5. Google Drive 連携(任意・有効にした場合のみ)

宛先:
Google Drive API(ユーザー自身の Google Drive)
内容:
ユーザーが選択したフォルダ配下の研究データ(読み書き)
性質:
drive.file スコープ=ユーザーが選んだフォルダのみアクセス可能(Drive 全体は見られない)。Lablate のサーバーは経由しない。連携しなければ一切発生しない

6. OneDrive 連携(任意・有効にした場合のみ)

宛先:
Microsoft Graph API(利用者自身の OneDrive)
内容:
利用者が接続したフォルダ配下の研究データ(読み書き)
性質:
Files.ReadWrite.All スコープ。技術的には利用者がアクセスできる OneDrive 上のファイル全体に及ぶ(他の人から共有されたフォルダに接続できるようにするため。Microsoft には Google の drive.file に相当する狭いスコープが無い)。ただし本サービスが実際に読み書きするのは、利用者が接続操作で指定したフォルダの配下だけ。Lablate のサーバーは経由しない。連携しなければ一切発生しない

7. エラーレポート(不具合が発生したときのみ)

宛先:
Sentry(Functional Software, Inc.・米国)
内容:
エラーメッセージ(200文字に切り詰め)、スタックトレース、発生ページのURL、ブラウザ・OSの種別、匿名の利用者識別子(ログイン中はアカウントIDのハッシュ値、未ログイン時は端末ごとの乱数ID)
性質:
不具合の調査のみに使用。研究データ本体は送らない。コンソールログ、画面上のクリック・入力の記録、URLのクエリ文字列は送信対象から除外し、通信先URLに含まれるクラウドストレージのファイル名・フォルダ名も伏せる。メールアドレス・表示名・生のアカウントIDも送らない。ただしエラーメッセージには利用者由来の文字列の断片が混じりうるため、本文の断片を含むと分かっている形式は伏せたうえで、200文字で切り詰めている

8. 不具合報告・改善要望(ユーザーが送信したときのみ)

宛先:
Sentry(Functional Software, Inc.・米国)
内容:
報告の種類・本文、任意で入力したメールアドレス、ユーザーが添付した画像・スクリーンショット・ファイル、発生ページのURL(クエリ文字列を除く)、ブラウザ・OSの種別、表示言語、画面サイズ、匿名の利用者識別子
性質:
アプリ右下のボタンから送る報告のみ。スクリーンショットは「現在の画面を添付」を押したときだけ撮影され、送信前に削除・塗りつぶしができる。添付したものは研究データを含みうるため、送信画面に常に注意書きを表示している

9. 匿名の利用統計

宛先:
Vercel Web Analytics
内容:
ページビュー、利用国(IPからの推定)、機能利用イベント(フォルダ接続 / ページ作成 / データセット取り込み / PDF のプレビュー・出力)。イベントに付く値は接続元の種別などの固定値・数値のみ
性質:
Cookie を使用せず、個人を特定できない形で収集。フォルダ名・ファイル名・研究データの内容は含まない

1〜4 は認証とアプリ配信のみで、研究データは含まれません。5・6 はユーザーがクラウド連携(Google Drive / OneDrive)を有効にしたときだけ発生し、送信先はユーザー自身の Google Drive / OneDrive です(Lablate のサーバーは経由しません)。7 は不具合が起きたときだけ、9 は利用状況の把握のために送信されるもので、いずれにも研究データ本体は含まれません。8 はユーザーが報告を送ったときだけ発生し、ユーザーが自ら添付したものが含まれます。これら以外に研究データを外部へ送る通信はありません。広告・行動ターゲティング目的のトラッキングや、画面録画(セッションリプレイ)は導入していません。

同等サービスとのリスク比較

Lablate の認証基盤に預ける情報は、Slack / Notion / GitHub にログインするときと同等のリスクレベルです。いずれも認証情報のみを預け、業務データを預けるわけではありません。

観点Notion / Google DocsLablate
データ主権ベンダー側ユーザー側(100%)
オフライン作業限定的可能(読み込み後)
ベンダーロックインあり小さい(Markdown / CSV / JSON / PNG 等の公開形式)
サーバー障害時使えないローカル作業継続可
データ漏えい時の影響範囲全顧客各ユーザー自身の保存先のみ

技術構成(エンジニア向け)

Lablate は React 19 + Next.js 15(App Router)で構築され、ページコンポーネントはクライアントサイドレンダリングを採用しています。

ストレージ層(すべてクライアント内)

  • localStorage / IndexedDB: ページツリー・本文・データセット・画像等の作業キャッシュ、フォルダハンドル履歴、表示設定
  • File System Access API: ローカルフォルダ読み書き(保存の正本)
  • Google Drive API / Microsoft Graph API: クラウド連携を有効にした場合のみ、ブラウザから直接ユーザー自身の Drive / OneDrive を読み書き

外部への通信は、上の「外部通信の完全リスト」に挙げたもの(認証・クラウド連携・エラーレポート・不具合報告・利用統計)に限られます。研究データを Lablate が受け取って保存する通信は存在しません。

認証層

  • プロトコル: OAuth 2.0 Authorization Code Flow + PKCE
  • 認証プロバイダ: Microsoft(Azure AD マルチテナント)/ Google OAuth / メール + マジックリンク
  • セッション管理: Cookie ベース(@supabase/ssr。SameSite=Lax。ブラウザ側のクライアントも読むため HttpOnly ではない。Next.js Middleware で自動リフレッシュ)
  • Supabase が保持する情報: UUID、メールアドレス、プロバイダ種別、表示名、アバター画像のURL、プラン種別。加えて Supabase Auth の標準機能として、ログイン日時、セッションごとの IP アドレスとユーザーエージェント、認証の監査ログ(IP アドレスを含む)
  • Supabase が保持しない情報: 研究データ全般
  • Row Level Security: プロフィールは自分の行のみ参照・更新可能(作成は新規登録時のトリガーのみ、削除はアカウント削除に連動)

セルフチェック手順

導入前にご自身でデータの流れを検証したい場合の手順です。

  1. Chrome / Edge の DevTools を開き、Network タブを表示
  2. ページ作成・データセット追加・画像貼り付けなど任意の操作を行う
  3. 現れるリクエストの宛先とボディを確認します。研究データを含むリクエストは、ご自身の保存先へのもの(Google Drive 連携時の googleapis.com、OneDrive 連携時の graph.microsoft.com)だけです
  4. それ以外に現れうるのは、利用統計(/_vercel/insights。ページ作成・データセット取り込み等のイベント名のみ)、エラー発生時・不具合報告送信時の /monitoring(Sentry への中継)、ログイン中のセッション維持(<project>.supabase.co)です。いずれのボディにも研究データ本体は含まれません(不具合報告にご自身で添付したものを除く)

よくある質問

Q. 共用のパソコンで使い終わったら、ログアウトすれば十分?

A. 通常のログアウトでは、このブラウザに残っているノートの控え・接続先の一覧・Google Drive / OneDrive との連携は消えません(ログアウト後もゲストとして作業を続けられるようにするためです)。共用のパソコンでは、アカウントメニューの「ログアウトしてこの端末から消去」を使ってください(ログインしていない場合は、最初の画面の「この端末のデータを消去」)。フォルダに保存できていない編集があるときは、失われないよう消去を止めます。表示言語やテーマなどの表示設定は残ります。

Q. OneDrive に同期した場合、データが Microsoft に渡るのでは?

A. 使い方によって挙動が違います。(1)OneDrive の同期フォルダをローカルフォルダとして開く場合: Lablate は PC のローカルフォルダに書き込むだけで、OneDrive API は呼びません。そのフォルダが同期対象であれば Windows OS が Microsoft にアップロードします(「Word で保存したファイルが OneDrive に上がる」のと同じ)。(2)OneDrive に直接接続する場合: ブラウザから Microsoft Graph API を呼び、利用者が指定したフォルダの配下に研究データを直接読み書きします。いずれの場合も送信先は利用者自身の OneDrive であり、Lablate のサーバーは経由しません。組織の OneDrive / SharePoint ポリシーがそのまま適用されます。

Q. Google Drive 連携を使うとデータが Google に渡るのでは?

A. Google Drive 連携を有効にした場合のみ、ユーザーがピッカーで選んだフォルダに対して研究データを直接読み書きします。送信先はユーザー自身の Google Drive であり、Lablate のサーバーは経由しません。アクセス範囲は drive.file スコープ(ユーザーが選んだフォルダのみ。Drive 全体は閲覧できません)に限定しています。連携しなければこの通信は一切発生せず、ローカルフォルダ / OneDrive 保存のみで利用できます。

Q. OneDrive 連携の同意画面に「すべてのファイル」と出るのはなぜ?

A. Microsoft の委任権限に、Google の drive.file のような「利用者が選んだものだけ」に相当する狭いスコープが無いためです。他の人から共有されたフォルダに接続できるようにするには Files.ReadWrite.All が必要で、同意画面にはその範囲が表示されます。実際に本サービスが読み書きするのは、利用者が接続操作で指定したフォルダの配下だけです。この範囲が気になる場合は、OneDrive 連携を使わずに、ローカルフォルダ(OneDrive の同期フォルダを含む)または Google Drive 連携をお使いいただけます。

Q. Vercel サーバーからデータを抜かれる可能性は?

A. 研究データが Vercel 上に保存されることはありません。Vercel で動くサーバー側の処理はページ配信・ログインのコールバック(/auth/callback)・セッション Cookie の更新・Sentry への中継(/monitoring と /csp-report)だけで、研究データを受け取って保存するエンドポイントはコード上に存在しません。仮に Vercel が侵害された場合のリスクは「改ざんされたアプリの配信」で、これはブラウザで動くアプリそのものが書き換えられることを意味します。過去のデータが Vercel から抜かれることはありませんが、改ざん版を開いている間に表示したデータは危険にさらされうる点はご留意ください(これはブラウザで動く Web アプリ全般に共通するリスクです)。

Q. Supabase が侵害されたら?

A. メールアドレス・表示名・アバター画像のURL・プラン種別と、ログイン日時・ログイン時の IP アドレス・ユーザーエージェントの漏洩に留まります(ログインせずに使っている場合は、Supabase に情報はありません)。研究データは Supabase に保存されていないため被害範囲外です。Supabase は東京リージョンのマネージドPostgreSQL上で稼働し、リスクレベルとしては Slack / Notion / GitHub にログインするのと同等です。

Q. 将来 LLM 連携が入ったらどうなる?

A. LLM 連携機能を利用するときのみ、対象のテキスト/データが LLM API に送信されます。これは機能の性質上不可避ですが、ユーザーが明示的にその機能を実行したときに限られ、裏でこっそり送られることはありません。

Q. エクスポートしたデータの形式は?

A. 保存フォルダには、ページごとの Markdown(.md)、データセットの CSV(.csv)、画像(.png・.jpg)・動画(.mp4・.webm)、グラフの PNG が並び、Lablate を使わなくなっても Excel / テキストエディタ / 画像ビューアでそのまま閲覧できます。編集用の正本として、ページ本文・表やグラフの設定は JSON、図は Excalidraw 形式(.excalidraw)、構造式は CDXML(.cdxml)でも保存しています。いずれも暗号化や独自バイナリではない公開された形式で、フォルダごとコピーすれば移行も完結します。

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